‐Children‐



《どこかしらの研究機関に残ったのはモリソンと、ここに居る7人だけだ》


張慶がどこか投げ遣りに言えば、ダイアナは懐かしさのこもった声で名を呼ぶ


《ベッキー…ビクター…ルース…アリア》


ため息をついて、王明が放浪癖のある友人を思い出す


《李清(りしん)がテロリストになったとは聞いてないがな》

《やめなよ》


グレイが言えば嘲笑を含んだ声で王明が言う


《お前は見えてないかもしれないが、事実、ビクター達は戦ってる。李清がそれに加わってないと何故言い切れる?》

《だからってこんな時に》

《今言わないでいつ言うんだ?なぁ、恭介》


哀しげに押し黙るグレイを無視して王明が天城を見やった


《これは皮肉じゃない、事実だ。俺達は機会があればここに集まってるが、お前はどうなんだ?》


それは、おそらくモリソンも思っていることだった


《俺は………》



*****



皆、どこかで泣いていた



けど、俺には泣くことよりも、泣くことよりも………





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