‐Children‐
《キョウスケは変わってる》
燃えるような赤毛の少女、アリア・ベネットは本をめくる恭介に言った
《何が?》
《それ、日本の本でしょう?いつもそう》
恭介は眠たげな瞳を手元の本に落とした
《俺の生まれた国の本だから。興味あるだけ》
《バカだなキョウスケ》
子供のくせにやけに皮肉のきいた言い方で王明が恭介に向かって言った
《俺たちの生まれた所なんて意味があるのか?ここから出られもしないのに》
《出られるさ……いつかは》
白い部屋
多国籍の13人の子供達が集められた広い部屋
けれど、外に比べたら狭すぎると彼らは知っていた
しかし、そこから出るすべを彼らは知らない
《アタシは期待なんてしない》
金髪に茶色の瞳を持つ少女
ベッキー・カートライトは手作りの人形を抱いてハキハキと言った
《だってそうでしょ?外の世界に出たって帰るお家もないもん》
《だよなー》
恭介はムッとして本を閉じる
立ち上がって彼らから離れた
すると、部屋の扉がバタン!と開いた