‐Children‐



子供部屋


白い白い、何処までも白いその部屋はそう呼ばれていた

幼い彼らは一日の大半をそこで過ごしている


今は就寝時間
二段のベッドが並びそこで皆寝ていた

しかし、恭介はまだ寝付けずにいた
今日の圧力検査で無茶をし過ぎた為、少し頭痛がしていた

熱もアルかもしれない……


《キョウスケ》


小さく声をかけられて、振り向こうとすれば、もぞりと誰かがベッドに入って来た


《モリソン……》


名前を呼べばモリソンは泣きぼくろのある目元を歪ませた

恭介はモリソンに身体ごと向き合うように寝返りをうつ


《……どうした?》

《お前……バカじゃないのか》


ブスッと、なぜか不機嫌そうにいきなり馬鹿にされる
キョトンとした顔で恭介が見つめ返すと更に不機嫌そうにモリソンは言った


《なんでダイアナの身代わりになったんだ?お前がでしゃばることじゃなかったろ……》

《でも、ダイアナが恐がってたし……あの検査したらきっと熱を出してた》


確かに、モリソンの言う通り恭介がわざわざ代わらなくてもよかったかもしれない
けど、そうしたかった







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