‐Children‐



「何だよ、泰刃!」


レオに軽く睨まれても山根泰刃(やまねやすは)は可笑しげに笑うだけだ


「だってさぁ、桃香も手伝ってたんだろ?」

「私は琉の力を抑える時しか手を貸してないわよ」

「でも、だよ」


2人は怪訝な顔で泰刃を見た


「僕もグラウンド見てたけど、炎と風が一緒に消えてた。あの転校生が炎系の能力者ならレオと同じくらい炎を出さなきゃ相殺なんて出来ないよ。桃香の風で多少炎の威力だって上がってたんだからさ」


むぅ、と2人が考え込む
そこで泰刃も考える様に顎に手を当てる


「でもホント謎。あれは相殺っていうより……」

「炎と風、どちらも消し去ったように見えた」


新たな声にレオは顔をしかめる
先程深い藍色に輝いていた瞳は今は黒くなっていた


「それならもっと分かんねぇ!俺達に操れるのは地球上にある物質の一つだけだろ?」


レオが吠える
風と炎を消せるなど、どちらの物質も操れるなら消す事ができると考えられるかもしれないが、レストチルドレンに操れる物質は一つと決まっている







< 14 / 145 >

この作品をシェア

pagetop