‐Children‐
子供特有の小さな寝息しか響かないへやで、ヒソヒソと小声で内緒話をする
《やっぱり……お前はバカだよ》
《……ひどいな》
言いながら、恭介は薄く笑った
《お前は》
……やさしすぎるんだ
声には出さずに思った
モリソンは苦い思いに顔を歪ませる
《いつか絶対に……傷つく》
《……でも、誰かが泣いてるの見るよりはいい》
懲りない恭介にため息をついて、乱暴に恭介の髪を掻き混ぜる
ビックリしている恭介を置いてモリソンはベッドから出る
《バーカ》
恭介は驚いて目を見開く
モリソンが本当に珍しく、自分に笑いかけていたからだ
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エイムズ研究センター
その研究施設での記憶は、殆どが辛いものでしかなかった
けれど、だからこそ
13人の子供達は身を寄せ合うように過ごしていた
喧嘩や言い争いもたくさんした
それでも、それぞれが、それぞれを大切に想っていた
希望なんて、絵本の中の出来事だ
全てを諦めたように生きる者、淡々と機会を待つ者
そして、その時が訪れる