‐Children‐
2028年
ファーストチルドレン
16才
天城恭介は頭が良かった
施設では一応の一般教育を受けた
望めばそれ以外の教育も受けさせてもらえた為、恭介は教師の資格を取るための勉強をしていた
施設では最近、恭介達ファーストチルドレン以外にもレストチルドレンをたくさん集めている
いつもと変わらない、静かな夜だった
だが、それは突然の来訪者が打ち砕く
《キョウスケ!》
エカテリーナが血相を変えて恭介の部屋を訪ねて来た
《なんだ?こんな時間に》
《アリア達を止めて》
《?》
部屋に入れたとたん、鬼気迫る勢いでエカテリーナは恭介に詰め寄った
《落ち着け、何なんだ一体。アリア達がどうしたんだ?》
肩をつかんで一旦、落ち着かせる
エカテリーナは灰色の瞳を揺らして衝撃的な事を告げた
《アリアとベッキー、ビクターとルースが脱走するの》
言葉を理解するまで数瞬かかった
《……何?》
《だから!》
ギュッとエカテリーナは恭介の服を握った
《ここから出ていくの》