‐Children‐



葛城琉と名乗った少年は昴も覚えている
藍色に輝いていた瞳は今は黒い
しかし、鋭い眼光は変わらない


彼の性格を表した様な切れ長の瞳にスッと整った顔立ちが印象的だ


「……御堂レオ。言っとくけどな転校生!俺の力はあんなもんじゃっ……!!」


途中でまたチョークが額に飛んで来てレオは悶絶する
好戦的な目は変わらず、体格に似合わず子供のような印象を受ける
よく見れば、葛城琉と同じくらい整った顔立ちなのだが、どこか野性的だ


レオを見て笑いながら先程会った少女はにこりと笑う


「私は草原桃香。さっきはゴメンね」


可愛らしく首を傾げて桃香は謝る
肩口まである髪は柔らかな栗色、ふわふわとした髪質が彼女に似合っていた


「僕は山根泰刃。よろしくー」


余り興味なさげに挨拶をしたのは猫目の少年
掴み所のない笑みを浮かべているが、目元に浮かぶ雀斑が憎めない可愛さを持っていた


昴は次に教室の隅に居た双子の少女に目をやるが2人はクスクスと2人で笑いあうだけだ






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