‐Children‐



「あの」


2時限目が終わったところで昴が琉に話し掛けた


「なんだ?」

「皆さん何処へ行くんです?」


2時限目までは昴の知るごく普通の授業だったが、少ないクラスメイト達は教室を出て行く
体育と言うわけではなさそうだ


「ああ、デュエルの特別授業だ。専用施設に向かう」

「ああ、あの…」


天城から説明は受けていた
『デュエル』それはレストチルドレン同士の力競べ


能力を正確に操るためには訓練が必要だ
それには能力者同士の力をぶつけた方が効率が良い


琉の横からヒョッコリと桃香が姿を現す


「ふふ、青柳さんってかっこいい名前ね。昴って呼んでいい?」


大きな瞳に見つめられ昴は瞬く


「ええ、かまいません」

「私ことは桃香でいいわ。一緒に訓練塔に行きましょ。こ〜んな仏頂面な人に案内されたんじゃ、楽しくないわよね?」


クルリと昴の傍に来て桃香は肩を抱き寄せる
からかう様に言われ琉は憮然とした


「うるさい草原。俺は先生に言われたから案内しようとしただけだ」






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