‐Children‐
「くそ〜」
「今年だけで俺の50対49だ」
ずぶ濡れで座り込むレオに琉がさらりと告げれば、レオはガバッと顔を上げる
「やっぱちゃんと数えてんじゃねぇか!」
「さぁな」
いつもの澄ました表情でレオの言葉を無視して琉は部屋を出た
「たくっ、相変わらずみみっちい奴!」
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琉が防壁ガラスの外に出れば、青柳昴が軽く驚きを宿した眼でこちらを見ていた
いい機会だと思い聞いてみる
「青柳、君の能力は何だ?」
「え?」
昴は一瞬、キョトンとして何かを考えるように視線を彷徨わせた後、さらりと答えた
「分かりません」
「分からない?それはどういう意味だ」
「はぁ……そのままの意味ですけど」
余りに要領のえない話に琉はこめかみに青筋を浮かべる
琉は短気だ