‐Children‐



「くそ〜」

「今年だけで俺の50対49だ」


ずぶ濡れで座り込むレオに琉がさらりと告げれば、レオはガバッと顔を上げる


「やっぱちゃんと数えてんじゃねぇか!」

「さぁな」


いつもの澄ました表情でレオの言葉を無視して琉は部屋を出た


「たくっ、相変わらずみみっちい奴!」



********



琉が防壁ガラスの外に出れば、青柳昴が軽く驚きを宿した眼でこちらを見ていた
いい機会だと思い聞いてみる


「青柳、君の能力は何だ?」

「え?」


昴は一瞬、キョトンとして何かを考えるように視線を彷徨わせた後、さらりと答えた


「分かりません」

「分からない?それはどういう意味だ」

「はぁ……そのままの意味ですけど」


余りに要領のえない話に琉はこめかみに青筋を浮かべる
琉は短気だ







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