‐Children‐
天城は立ち止まり昴に向き直る
「レストチルドレンは世界的にも数は少ない」
「はい」
「お前に他意がなくても、あいつらは違う意味に取っちまうんだ」
天城は煩そうに着くずしたネクタイを更に緩める
「ここの連中は殆どが生まれた時からここで生活させられてる。レストチルドレンは貴重な研究材料であると共に、危険な存在だ」
昴は思った
止めて下さい、と言ったのは昴は自身を普通の人間だと思っているからだった
レオの冗談のような発言に普通の人間である自分は止めてくれとしか言えない
レストチルドレンという存在は貴重
しかし、その能力を暴走でもさせられればそれは普通の人間には止められない
「だから、どうしたって孤独が付き纏う……レストチルドレンは、あいつらは自分達を家族だと思ってる。ひねくれたガキ共だからな。素直に言うとは思えんが、普通とは違う、自分達を仲間だと思ってる」
天城はまるで、古傷に触られように顔を顰めた
「それは、天城先生もですか?」