‐Children‐
天城が案内したのは女子寮の一室
しかし、それは1Kのアパートなみの部屋だ
家具は当たり前のように備えつけてあるし、お風呂とトイレまでついている
孤児院では一部屋を大人数で使っていた昴にとってはとても新鮮だった
「風呂とトイレはついてる。飯は食堂にいけば好きなもん食わしてくれる。不便はないはずだ」
細かいことはアイツに……と続きを天城が言おうとした瞬間天城は飛んだ
別に天城が突然、気分良く楽しくなって飛び跳ねたわけではない
立っていた場所が悪かった
天城は昴に案内した部屋の中に入り扉の前に立っていた
内開きのドア
それが突然、陽気な声と共に開いたのだ
「ヤッホー!天城、新入りチャンは何処かな!?」
バタンッとドアが軋んだ音を立てた
だが、更に耳に痛い音を立ててドアに突き飛ばされた天城が床に倒れた