‐Children‐
ソファーに座った昴は何が嬉しいのか頼良にずっとひっつかれていた
「……あのな青柳。藤崎はお前の一つ上の学年だ」
昴は軽く目を見開く
頼良は背も高い美人なせいか大人びて見える
ドアを開けた時は若い女性の教員かと思ったほどだ
コレで一つ上なのには驚いた
「ソイツの能力は『雷』でな。しかも国内でも1、2を争う力の持ち主なんだ」
学年……と言うからにはレストチルドレンなのだろう
「だが、力が強過ぎて人が触れれば軽くふらつく位には痺れるんだ」
軽く、ではない気がしたが昴はあえてツッコまなかった
「なのに………何ともないのか?」
「はい」
普通に返事を返す昴に天城は力が抜ける
本当に解らない
「すごいわぁ!……でも何でかしら?」
とりあえず抱きつくのをやめて、頼良はなんとなく右手を上げた
そして爆音が寮内に轟いたのだった