‐Children‐
床は座る場所がないほど散らかっているため昴はベッドに腰掛けていた
頼良は勢いよくベッドにダイブしてから昴に抱きついている
フフ、と………どこか遠い彼方を見るように頼良は笑った
「あたしね、誰かと触れ合うの久しぶりなの」
「久しぶり……」
頼良の言葉から、生暖かい淋しさを感じて昴は瞬く
確かに……昴は感じなかったが……天城の言っていたこと
能力が強過ぎて、触れたら軽く痺れてしまうのなら、うかつに誰かとスキンシップさえ取れない
「だからね」
頼良は心から笑っていた
「昴に会えて嬉しい!」
最初、昴に抱きついて驚いていた頼良
彼女は探していたのではないだろうか?
自分が触れても大丈夫な相手に
だから、最初は何処か怯えた手つきが
今はしっかりと握られているのだろう
「頼良先輩、ありがとうございます」
小さく微笑みだけ返して昴は目を閉じた