‐Children‐



次の日


「じゃあね!」


昴に絡めていた腕を名残惜しそうに放して頼良は自分のクラスへ向かった
黒と白で構成された制服を着れば頼良も確かに学生に見える


校舎と寮の間にはたいした距離はないが少し歩く
その間、頼良はずっと昴にくっついていたためチラホラと視線が向けられたのには少し戸惑った


昴も自分のクラスに行こうとすると声をかけられる


「おはよう、昴」

「おはようございます、桃香さん」

「ねぇねぇ、今の頼良よね?」


ふわりと笑って隣に並んだ桃香と昴は歩きだす


「はい」

「今朝レオに聞いたけど、あなたの部屋に頼良が穴あけたって、ホント?」


クスクスと笑って訪ねる桃香に昴がうなずけば更に笑った


「アハハ、やっぱり昨日の爆音、頼良だったのね」

「アレで誰かわかるの?」


昴が首を傾げるとさも当然というように桃香は言った


「いつもの事だから」

「いつもの事……それは大丈夫ですか?」

「何が?」


桃香にキョトンとした表情で返され昴の方がため息をついてしまった
ここに安全性はあるのか?
と………







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