‐Children‐



それを研究員に何といえばいいのか、昴が口を開こうとした
すると、後ろから聞き覚えのある声がした


「君はなにも気にしなくていいよ」


物腰やわらかな声音
研究員はあからさまに身体を強張らせた


「君ヶ崎理事長!」


肩に垂れる白く輝く髪
涼しげな目もとを細めて微笑む、肩書きに似つかわしくない若さの男性

たった一度だけ会った人


「お久しぶりです…」

「久しぶりだね。無事に入学できてよかった」


ゆったりとした仕草で昴の側に立つ


「心配することはありません。能力は使い用ですよ」

漆黒の瞳に見据えられ昴はそれをじっと見返した


「葛城君と御堂君の力はみたでしょう?」

「はい」

「自然物を操る彼らは確かに強力ですが、貴方は特別だ。能力を気にせず君の好きに戦いなさい」


ゆっくりと、言葉を染み込ませるように言う理事長に聞いていた研究員が戸惑いの声を上げた


「えっ?理事長、彼女は自然物系統のチルドレンではないのですか?」







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