‐Children‐
始まりのブザーが鳴り響く
能力は気にするな
それはよくわからないが、好きに戦いなさいと言われた
少し迷ったが……仲間なんだ
と、レオは言ってくれた
ならば、そんな相手に「手加減」はできない
昴はそう思って
走りだす
視界には髪が燃えるような赤銅色になったレオの「横顔」が映る
燃え上がる炎
それを凝縮させた蛇以外にもレオの周りには薄い火柱が上がっていたが、気にせず突っ込んだ
熱くはなかった
火傷一つ負わずに間合いに入り込む
真横に迫り手刀を脇腹に叩き込もうとしてレオの呟きが聞こえた
「嘘だろ?」
おそらく、こちらには気付いていない
視界から消えた昴に驚いているのだろう
昏倒したレオを見下ろす
終了のブザーが高らかに鳴り響いた