‐Children‐
少女は……青柳昴は、一言で言って「普通」だ
これといった特徴のない容姿
あえて言うなら、真っすぐに見つめる黒々とした瞳が印象的だ
背は低い
高校生男子の平均身長よりやや高い琉の胸ほどしかないのだから
手足のバランスは良いがとても華奢な、いかにもか弱い女の子といった感じだ
か弱い………そんな印象の彼女がなぜあんな速度で疾走できる?
レオは生身での戦いも弱いわけではない
なのに、なぜああも容易くレオは地に伏せているのか
衝撃的な光景を目の当たりにして固まる琉の耳に、激しく動く計器と睨み合う研究員の声が聞こえた
「理事長!何ですかコレは!?」
「こんな数値はあり得ない……しかも、こんな能力!」
「彼女は何なんです!?」
不適な笑みを浮かべる理事長は口々に声を上げる研究員にクスリ、と何もかも知っているかのように笑う
「彼女はね、この日本国の希望だよ」