‐Children‐
研究員から受けた報告を手にして天城は理事長室まで走った
報告内容は『青柳昴の能力について』
手にした書類がくしゃりと潰れた
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「お久しぶりですね……天城先生」
息を切らして扉を開いた天城に君ヶ崎修慈は微笑みかける
「そんなに息を切らして、どうしたんです?」
「どうした、じゃねぇだろ」
「煙草の吸いすぎではないですか?空凪(そらな)先輩が知ったら………」
「はぐらかすな!」
天城は鋭く遮る
涼しい顔をした白髪の理事長に天城は詰め寄る
「アイツは関係ない。今は青柳昴のことだ」
「天城先生……いや、天城先輩は変わりませんね。あの時からずっと……」
「あの時」からかわらないのは君ヶ崎も同じだ
自身の目的の為に唯ただ真っ直ぐに進み続ける
空凪(そらな)以外の人を寄せ付けずに
「……お前が見つけて来た子だ、どういうことか説明しろ」