‐Children‐
風が吹いたかと思うと室内は急に温度を下げた
知らず吐いた息が白くなった
「これは……?」
「煩いのが来たな……」
嫌そうに白い息ともに呟かれた琉の言葉で、更に温度は下がった気がした
「ダ・レ・が、煩いだと?」
「お前だメガネ」
「メガネと呼ぶな!」
現われたのは銀縁のメガネをかけた怜悧な容貌の少年だった
少年は深く皺の入った眉間をゆるませて笑う
「生意気なお前を今日こそは叩き潰してやる!!」
ビシッと勢い良く琉に突き付けられた人差し指
好戦的な発言はどこか愛嬌がある
見た目を裏切り、それは彼の人柄から来るものだろうか?
昴は状況に入っていけず、取りあえず琉を伺って見る
琉は少年の行動に冷笑した
「貴方は馬鹿か?斎藤副会長」
「何!?」
斎藤副会長という人は鋭く琉を睨み付ける
どんどん気温を下げる教室
メガネをかけたその奥、瞳の色は晴れ渡る空のような薄青をしている
凍てつく空気に気にも止めず琉は淡々と言った
「貴方じゃ俺は倒せない」