‐Children‐



会いたくなかった


七瀬には笑ってみたけど


やっぱりキツい



どこかでまた戦闘と思われる音がする
今のはおそらく机が破壊された音だ

力の入らない足を睨み付けて見たが桃香の気分が晴れるわけではなかった



なんで……アノコなんだろう、と



「最悪……」


降ってわいたようなアノコの存在も、その子には何の罪もないのにそんなふうに考える自分にも

今の気持ちはとても最悪だった




「おい」

「!?」


ハッとして顔を上げればそこにはレオがいた

今現在2番目に会いたくない人……


「なっ!なにどうしたの?」

「お前がどうしたんだよ。チビドモまいて来たら、こんなとこで座り込んで」


スッとレオは屈み、桃香と視線を合わせた
そして、


「熱はなさそうだな」

「!!!」


額にあてられた手のひら
氏近距離にレオの顔
野性的な顔立ちだが整ったそれは破壊力抜群だ

特に鋭い中にも愛嬌のある瞳が間近にあった
距離の近い、こんな状況なんて幼なじみなのだからよくある
……レオが特にそうなだけだが







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