‐Children‐



「おーい……」


バサバサっと山のように積み上げられた資料が扉を開けると崩れ落ちる

その散らかった部屋を見て呆れた視線をなげつつ、天城は中へ入る


「おい、立花」


薄暗い部屋の奥、これまた資料を山積みにしているディスク
それに足をかけて椅子にもたれた呑気な男の頭を天城は手に持っていたファイルではたいた


「いっ……痛い」


その言葉さえも呑気に響く


「天城……か。なんかよう?」

「なんかよう、じゃねぇよ立花。『青柳昴』の事について聞きたい。アイツのデータならもうお前の所に届いてるだろ」



男、立花理緒ははたかれた頭をさすりながら振り向く
ズレた丸い眼鏡を掛け直しながら天城を見据えた


「『青柳昴』……実に興味深いサンプルだよ。天城のクラスだったけ?その子」


立花は襟足の髪をを長く伸ばして、だらしなく白衣を着ている
間違いなく学者肌の変人だが天城の旧知の友でもある








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