‐Children‐
気だるげに眉を寄せている天城の様子を見て立花はハハッと笑った
「修慈君と喧嘩でもした?」
「喧嘩なんてするか阿呆」
「そうかな?彼とは色々あるだろ」
そう言えばムッとしたように天城が睨むのでハイハイと手を挙げた
「彼女の能力の事だろ」
ガサッと散らかったデスクから資料を取り上げる
「彼女の能力値はレベルS、すごいなぁ。日本じゃ君と頼良以来じゃないなか?」
「レベルS……ね。で、続きは」
「あはは、コレが笑えるよね?」
「………」
「能力消去?あり得ない」
「だが、理事長は」
「確かに」
言い淀んだ天城に笑いながらクルリと椅子の向きを変えて続けた
「修慈君の言い分もわかるけどさ、あり得ないでしょ?厳密に言えば青柳昴の能力は電気系統に分類される。けど電気系統の能力は扱いが難しい。能力値が高ければ高いほど操ることは困難だ」
なのに、と可笑しげに立花は笑った
「電子に働き掛けて、原子にまで分解させる?そんな微細なコントロールを無意識にやるなんてあり得ない」