‐Children‐
昴は風に髪を吹き散らされながら成り行きを見守るしかなかった
昴の周りでは赤い蛇と青い龍が責めぎあっていて、動こうにも動けない
デュエルというのが何なのか分からないが、余り良いものではなさそうだ
困惑するしかない状況に不釣り合いな愛らしい声が響いた
「あら、琉。レオの邪魔をするきなの?」
ふわふわとした髪を風になびかせて、愛らしい少女が宙に浮いていた
その髪は新緑の緑に輝いている
明らかに人為的な風が炎の大蛇を助けて勢いを加速させる
水の龍が蛇に押され始めた
「邪魔するな草原!」
琉は宙に浮く少女を鋭く睨んだが、少女は微笑むだけだ
「琉は堅すぎよ?」
「お前は……」
レオはまた手を振りかざした
「引っ込んでろ!」
手を振り下ろした時、蛇は龍を弾き飛ばした
琉は苦く顔を歪めた
2人係とはいえ弾かれてしまったのだ
「転校生!お前の能力見せてみろ!!」