‐Children‐


「ボクは相澤(あいざわ)クリス、中等部3年生です」


警戒されないようにクリスはにっこりと笑った
けれど青柳昴という少女は、小動物を思わせるつぶらな瞳を瞬かせるだけだった


「はぁ……どうも」

「あはは、急に言われても困りますよね?琉さんから貴女の力を聞いてぜひお手合せさせていただきたくて」

「……葛城君に?」

「はい。レオさんも貴女のことばかり言ってますよ。だからです」


昴は少し考えるように口元に手をやる


(押しが足りないかな?)

そう思っていると昴がひとつ良いですか?と言ってきた


「貴方の目的は?ただ手合せしたいだけですか」


クリスは淡々と問う少女に何故か気圧される


「ははは……目的〜というか、まぁ、ボクは単なる好奇心と修行ですね」

「修行……?」

「そうなんです。レオさんほどデュエル馬鹿のつもりはありませんけどね。ボクは強くなりたいんです」


デュエル馬鹿という言葉に表情の薄い昴がクスリと笑う


「そうですか」





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