‐Children‐



新たな大蛇が昴に向かってくる


昴はうねる炎と風を感じながら、眼前に迫る大蛇を見て一つ瞬いた



その時、騒ぎを聞き付けてグラウンドに出てきた和泉と天城が眼を見開く


勢いよく転校生にぶつかったかに見えた大蛇は、何事もなかったように消えたのだった


「何だ……ありゃ……?」


天城はくわえた煙草を口から落として茫然と呟いた


「はっ……??」


ポカンとした表情でレオという少年は地に下りた
赤銅色をしていた髪も静かに普通の黒髪に戻る


中に浮いた少女と水の龍を操っていた少年も状況が掴めず困惑しているようだ


騒ぎを聞き付けたのか校舎からからは人影が好奇心溢れる様子でグラウンドを見ていた

たくさんの視線を浴びせられ、さすがに昴は居心地が悪そうに呟いた


「あの……職員室は何処ですか?」


天城は額に手を当てて天を仰ぐ


「面倒くせー……」


このやっかいな事態を天城は押し付けられたのだ
涼しい顔をした理事長に……


この事を予測して天城のクラスにしたに違いない






< 9 / 145 >

この作品をシェア

pagetop