‐Children‐



「ぉーい、樹也ー」


どこか間の抜けた喋り方に制服であるワイシャツを身につけず、白衣のようなものを羽織った少女が少年を呼ぶ

呼ばれた少年は心底不機嫌そうに応える


「なんだ、茶化しにきたのか?」

「あっ、わかった?」


ぐっと更に少年、斎藤樹也の不機嫌さが増したが少女は気にした様子もなく近づく


「また琉ちゃんに負けたの?」

「または余計だ!次は勝つ!」

「次って、いつも負けてない?」

「うるさい!」


やいやいと言い合う2人を見て頼良は笑った


「確かにねぇ。先輩なんだから負けちゃダメじゃない、副会長?」

「クッ……!!」


青筋を浮かべて憤慨する斎藤を2人はキレやすいと評しているが、斎藤樹也はそれほど短気というわけではない

同じ学年の2人、藤崎頼良ともう一人の少女、立花梨乃が斎藤を腹立たせる原因を作っているに他ならない

ちなみに、頼良達3人しか高等部3年はいない
そして、学園であるため生徒会もちゃんと存在している

この3人はその役員だ
驚く事に会長は頼良
副会長は斎藤
会計は立花となっている






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