‐Children‐
同時刻
桃香と泰刃が森に入った場所とは別の入り口から入る人影があった
「何であるかもわかんない研究所探さなきゃならないんだよ」
いつもの元気はなく、不機嫌そうに隣を歩く琉にレオは話をふる
琉は憮然としながらも、ぼそりと呟いた
「藤崎の気まぐれなんていつものことだろう?」
「電撃くらうよりましか?」
「そっ、それより」
少し強ばった声で琉の脇から昴がレオに声をかける
「その火の玉やめてください」
「え?だってこの方が明るいだろ」
「そういう問題じゃありません!こっ恐いです」
少し涙目になっている昴に2人は目を丸くする
「青柳……お前、幽霊とか苦手なのか?」
ビクリ、と昴は肩を震わせた
「なんだよ昴、お前あんなに強いのにお化けが恐いのか?」
「うるさいです」
レオのからかうような言葉に昴は頬を膨らませる
「そんなに怒るなって『キャアーーーーーーー』
突如響きわたる女の悲鳴に昴は小動物のように飛び上がる
無意識にすぐそばにいた琉の服の裾を掴んだ
レオもさすがに狼狽える
「なっなんだよ!?」
「おい、青柳」
「…………!!」
声も出ないほど硬直している