‐Children‐
「6才の時だったかな?」
泰刃の言葉に昴は驚く
そんなに早くここに入学していたのか、と
すると、もっと驚く事を皆は口々に言った
「泰刃はちょっと遅かったよねー。あたしは4才だったわ」
「オレは1才くらいだったぜ。物心つく前だな。ここ以外何にも覚えてねぇな」
「琉は2才の時だっけ?」
泰刃の言葉に琉は首肯する
「だいたいそんなものだろ。青柳の年齢で入るのが異常なんだ」
「そんな言い方ないでしょ」
少し冷たげに響いた琉の言葉を桃香はたしなめたが、昴自身、異常だと思うので特に気にはしないが
ガサッと一際背の高い草をかき分けたとき、桃香は悲鳴を上げた
「なっなによアレ!!」
「何って、アレが研究所じゃない」
桃香の動揺に反して、いたって平静に泰刃は答える
琉はやれやれといったように踵を返そうとした
「なら帰るぞ。藤崎は研究所を探せと言っただけだ。研究所はあったなら、もう終わりだ」