彼女はきっと振り向かない
ミキとは中学からこんな関係だし、今さら付き合う気にもなれない。
俺のしてることは最低なのかもしれないけど、実際せまってくるのは女の子の方なわけで、間違いではないと思っている。
「また、女の子?」
顔を上げれば、ちょうど階段を降りてきた委員長と出くわした。手には大量のノートを持っている。
「まあね。それ提出するやつ?運ぶの手伝うよ」
半ば強引にノートの3分の2を取り上げた。
「…ありがと。最低のくせに」
照れた委員長はいつも以上に可愛い。廉はこれにやられたんだなと納得した。