彼女はきっと振り向かない
数学準備室までの道のりを二人で歩く。放課後の校舎はやけに静かだ。ムリもない。明後日からテストが始まるため、みんな家に帰るか図書室で勉強しているのだ。
「余裕だね、テストあるのに」
なんでこう、俺だけ目の敵にされて嫌み言われんだろ。
「成績興味ないから」
「ただの言い訳でしょ?聞いたよ、前回の中間200番台って」
「ふーんよく知ってんね。誰に聞いたの?」
俺らの学年は240人だから200番台ってのはかなり成績が悪い。基本的に勉強しないので、いつもそんな感じだ。