彼女はきっと振り向かない
ボーっとする委員長に声をかければ、急に顔をしかめて、
「相良くんには絶対話さない!」
と言い切った。
なんか俺、嫌われてるな…
「あっそ、じゃあ廉に伝えとくから」
「ええええぇ!?」
かばんを持ち直して歩きだそうとしたら、ブレザーの裾をつかまれた。
なかなか可愛いことしてくんじゃん。
「い、言わないで」
普通の男なら落ちてるかも、な。
ま、俺はこういうの、慣れすぎてるからな。
「響、なにしてるの」
ふと声の先を見れば、
廉がいた。