彼女はきっと振り向かない
「別に。気にしてねえよ」
「ハア。また、女子といろいろしてるのバレただけだから」
「ノート運んだってのは?」
ほらね、気にしんてじゃん。
廉のこういう子供っぽいとこなかなか可愛いよね。
学校から駅までの道のりをひたすら歩く。
バスも出ているけど、今日は歩きたい気分だ。
廉も同じらしい。
「委員長が落としまくってたから、手伝っただけ。当たり前のことだろ?」
「なんでお前は・・・そんな簡単に優しくできんだよ」
廉の悔しそうな呟きに少し驚いた。
今まで女関係に関して、廉がここまで食いついたことなんてなかった。
「本気なんだな、委員長のこと」
「そうだって前にも言っただろ」