彼女はきっと振り向かない
「結局、お前はどうしたいの?」
すると、廉は足を止めた。
こいつを好きにならない女なんていんのか。
なんて思ったりもする。
「望んだってしかたないだろ」
「そうやって逃げてばっかじゃ、前に進めねえんじゃねえの?」
俺だって、恋愛してみたいよ。
でも、できない。
「好き」って感情がよくわからない。
だから、お前にはその気持ち大切にしてほしいんだよ。
「・・・」
「まっ決めんのは、お前なんだから。・・・でも、後悔だけはすんなよ」
俺はまた歩き出した。
廉はまだ動けないでいた。
だけど、このときからアイツの中で何か変わってたんだろうな。