彼女はきっと振り向かない
3rd. もう一人の少女
「は?今なんつった?」
今日は土曜日。
俺はカフェのバイト帰りに着信のあった相手にかけ直していた。
『だから、そのまんま』
俺よりも高めの声。
学校で王子しているときよりかは幾分低い。
「なあ、廉。それって・・・告るってことだよな?」
『・・・そうなるな』
話はこうだった。
明日の夕方に委員長を呼び出した。
それだけ。
「デートとかすればよかったんじゃん?」
『一応、こないだ映画はいったから』
ほおほお。俺の知らないところでちゃっかりと進展してるわけだ。