彼女はきっと振り向かない
今頃、廉と委員長は幸せに笑ってるのかと思うと急にやるせなさを感じた。
「んーごめん」
ミキはずっと俺のことを想ってくれている。
人に愛されることがどんなに幸せか、人を愛することがどんなに苦しいか。
俺は何も知らないんだろうな。
だけど、ミキの想いに軽い気持ちで応えちゃいけない気がした。
断るのにも痛みってあるんだな。
「やっぱダメかー」
俺を抱きしめる手が緩んだと思えば、ミキはベットに転がった。
「お前の気持ち嬉しいけど。やっぱ、そういう風に想えない」
「・・・だったら、何を思ってあたしのこと抱いてた?」
責めるような口調の割には穏やかな声だった。
「満たしてあげたかった」