彼女はきっと振り向かない




「うーん、まあ」


曖昧に答えながら、俺はそういえばさっきの子に名前聞くの忘れたなあ、と考えていた。




「ほんっとに最低!少しは斎藤くん見習えば?委員長だからって呼びに行かされるこっちの身にもなってよね」




そう言って、委員長は俺を抜かしていった。





斎藤くん・・・か。
確かに見習うとしたら、あいつだよな。




そうこの通り、俺は特定の彼女をつくらず気の向くままに、ふらふらしている。

俗に言う、「チャらい」部類に入ってしまうらしい。



そして、斎藤くん・・・いや、廉は俺の親友であり、


この学校の正真正銘の「王子」。



斎藤廉。うちの学校で知らないやつはいない。
他校でも有名。

成績優秀、運動神経抜群、そして誰しも魅了される美貌。


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