彼女はきっと振り向かない
授業が終わると、あたしはすぐに席を立った。
「委員長!」
「え?七尾さん、どうしたの?」
きれいに伸ばした黒髪に色白の肌。
悔しいけど、見ようによっては大和撫子の異名も嘘じゃないのかも。
「よかったら、今日の放課後一緒に勉強しない?」
「へ?」
委員長って控えめだから、友達も少ない。
だから、きっと乗ってくるはず。
「今回の期末やばくてさー。来週、再試なんだ・・・だから、頭の良い委員長にお願いしたくてさっ」
ガシッと委員長の両手をとり、懇願してみせた。
「わ、わたしでいいの!?」
「七尾って、頭良くなかったっけ?」
声のほうを見れば・・・廉くん・・・。