彼女はきっと振り向かない



相変わらずの豪邸を目の前に俺はため息をついた。


「響が来るの、久しぶりだよな」


「たしかに。2、3ヶ月ぶりじゃねーかな」




玄関をくぐれば、これまた相変わらず美人の母親が出てきた。


「和海さん、お久しぶりー」


「あら、響くん!ほんと久しぶりね!ゆっくりしてってね」



「ったく。お前、人の母親にまで軽いんだよ」



あれ?廉って実はマザコン?
ガキのときから世話になってるんだから、それぐらいいーじゃんね。



「おお。やっぱお前んちすげえな」


廉の部屋にはバカでかいテレビと新調したであろう黒いソファが置かれていた。



「一応、おぼっちゃましてますから」


素になると、嫌味も絶えない・・・。


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