彼女はきっと振り向かない



「響、お前ほんとにのんきだな」



「だって、そうなるって分かってたし」



「みちるからなんか聞いてた?」



急に名前で呼ぶとか、こっちが痒いんですけど。



「見てれば、わかるっての。お前が気付いてないのにびっくり」



「なんだよ!?気付いてんなら言えよ!」



すぐ感情的になるあたり、俺のこと言えないよね、ほんと。




「てか、隠す気ある?付き合ってること」


「あるけどさ・・・なんつーか、」


「なに?」




「抑えらんないっての?」




「ふっ」



「何がおかしいんだよ」




王子もただの男だったってわけね。あーダサい。


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