彼女はきっと振り向かない
「…勉強しましょう!」
喝を入れたのは、言うまでもなく委員長。
「「はーい」」と俺と七尾の声が重なる。
それから1時間、黙々と目の前の難題と戦った。
期末の復習と委員長オススメの問題集のコピーとにらめっこ。
過去分詞?なんだそりゃ、ってレベルの俺にも委員長は丁寧に教えてくれた。
廉といえば、余裕そうに文庫本を読んでいる。
何しに来たんだ?こいつ。
ただの冷やかしか、この野郎。
「あーもう限界」
一番先に項垂れたのは、もちろん俺。
「相良くん、一枚目終わんないと休憩なしだよ」
「・・・委員長、鬼だね」