彼女はきっと振り向かない
「ほらっ相良くん集中!集中!」
「…はーい」
なんでこんな勉強しなきゃなんねえんだよ。
「みちるは休んでて。響には俺が教えるよ」
彼女が他の男に付きっきりだといい気しないよな。
名前で呼び出したあたり、余裕なくなってきたんじゃないの?
廉って意外と独占欲強いんだよなー。
まっ当たり障りのない言い方はさすが廉。
「あっ…でも…」
「委員長わかってあげてよ、妬いてんだよこいつ」
「響!」
あ、素の廉が一瞬顔を出した。
そして真に受けて赤くなる委員長。
「…相良くん知ってるんだもんね」
「何を?」
「響」
委員長に意地悪を発動しようとすると、いつもより低い声で制される。