彼女はきっと振り向かない


こんなバカップルと一緒じゃ、勉強する気にもなれないんですけど。

「はいはい、ごめんね。外の空気吸ってきまーす」


「え、相良くん!?」


「いいよ、ほっとこう」


七尾の部屋を出ると、壁にもたれた彼女に遭遇した。

ある一点を見つめたまま動かない。


「おい」

「ちょっと話さない?」


そう俺に向けた瞳には悲しみの色が浮かんでいた。


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