彼女はきっと振り向かない
「悪かったな、女子じゃなくて」
「別に。てか、今何時?」
「もう昼。寝すぎなんだよ」
俺といるときは、普通の高校生に戻る。
廉はずっと「王子」の仮面を被り続けている。
そうするのには、理由があるんだけど。
「また、委員長怒ってた」
「やっぱりなー謝んなきゃなー」
廉が買ってきてくれたパンをほお張る。
そして、若干、委員長に悪いことしたなと反省。
「ったく、お前は自由でいいな」
「そうか?世の中の男子は絶対お前のほうを羨んでるだろ」
俺は再び寝転んで空を見上げた。