彼女はきっと振り向かない
「で、俺が委員長と七尾を好きって何?」
着いたのは、おなじみの屋上。
10月が近づき、風が冷たく感じる。
「だって、よく二人のこと見てるから・・・」
そうそっぽを向いたミキは、ちょっと頬を赤らめていた。
「・・・いろいろあんだよ。でも、好きじゃない」
委員長は廉の彼女だし、七尾は廉が好きだし。
俺は二つの秘密を知っているから、必然的に気になるだけ。
・・・そう思いたいのに、あの七尾の泣き顔が忘れられないのは事実。
「ミキ、決めたから」
「何を?」
「新しい恋見つけて、響の恋も応援するって決めたから」