彼女はきっと振り向かない
「なんだよ、それ」
思わず笑っちゃったし。
「真剣に言ってんだからねっ」
「はいはい。ありがとう、ミキ」
その瞬間、頬を赤くするミキ。
「やめてよ。響きがお礼言うとかありえない」
「えー?俺、言うよ、普通に」
「もう知らないっ」
と、後ろを向くミキ。
「まあ当分ないと思うけど、そのときは相談よろしく」
そう言って、ミキの元を去る。
頭に七尾の泣き顔が一瞬浮かんだけど、なかったことにした。
俺らしくないな、最近。