彼女はきっと振り向かない
「ねえ、マジで委員長と仲良くなってんじゃん?」
席に戻ると、友達のレナが話しかけてきた。
「まあね」
「ほんと・・・くるみの行動力には感心するわ」
だって、廉くんは誰も手に入れちゃいけないものだったのに。
あの子が手を出したりするから。
しかも、特別何かを持ってるわけでもないのに・・・。
「顔、こえーんだけど」
唐突に聞こえてきた声に、パッと顔を上げると相良響がいた。
「何、いきなり・・・」
「べつにー」
それだけ言って自分の席のほうへと歩いていった。
さっきの授業、女とサボってたくせに、なんなのよ。