彼女はきっと振り向かない
放課後、先生に呼ばれた俺は職員室へと向かった。
授業に出ろとか小テストの点数がひどいとか・・・。
結局こないだの再試もギリギリだったからな。
教室に戻ると珍しいやつの姿があった。
「あれ、廉じゃん」
「おー響か」
たしか、委員長と帰るんじゃねーの・・・?
「委員長待ち?」
「いや、みちるは七尾と帰った」
七尾・・・?
何であいつと委員長が帰るんだ。
「良いことなんだよな・・・みちるにもちゃんとした友達ができるってのはさ」
「まあね」
委員長って基本的に一人だもんなー。
俺みたいなのには積極的に注意してくるくせに、人間関係築くの下手っていうか。
「でも、一緒にいる時間は減るわけで」
「なるほど。ヤキモチですか、王子」
「は?ちげーよ!」
「いやだって、七尾に委員長取られて悔しいんでしょ」
「・・・だな」