彼女はきっと振り向かない
「響は思わねえだろ?」
「うん。だって、お前見てたら大変なのわかるし」
こいつだって自由に振舞いたいはず。
だけど、それができないのは、家柄ってやつだ。
親のために、親の会社のために、最高の息子を演じる。
それが廉に与えられた使命らしい。
好かれるのだって難しいのに、その好感度を維持しつ続けることはもっと難しい。
最終的には本当の自分を偽るしかなかった。
俺が廉だったら、絶対荒れてる。
まあ、今もこんなだけど・・・。
「響になりてえ・・・」
「俺になってもいいことねえよ」
「そうか?委員長あれで、響のこと好きかもしんないし」
「はあ?」
なんか今の発言、嫉妬とも捉えられるけど?