彼女はきっと振り向かない
もうすぐSHRが始まる頃だ。
そういえば、俺、そろそろ出席やばくないか?
なんて考えながら走って着いたのは、七尾の家の近くの公園だった。
ここで、あいつの気持ち知ったんだっけな・・・。
「足、はえーな」
「・・・相良くん・・・?」
どうやら俺に気づかないくらい夢中で走っていたようだ。
「!」
振り向いたその顔は涙でグチャグチャだった。
「大丈夫か・・・?」
「ハハ・・・相良くんにはいっつも泣いてるところ見られちゃうなー」
そう言って、目をこする七尾。
「こするなよ、余計跡ひどくなる」
普段元気で明るいくせに、こんな弱いところ見せられたら・・・
愛しくもなるよな・・・
って俺が、愛しいとか・・・ないだろ。