彼女はきっと振り向かない
「あっ廉だ。久しぶりだね」
自室へ入ろうとしたところ、ひょこっと現れたのは麻央だ。
「麻央ちゃん、久しぶり」
「相変わらず王子してるね~。響には負けるけどっ」
そう言って、俺の腕を抱く姉…。正直、めんどくさい…。
「麻央ちゃんこそ、変わんないじゃん」
「うん。響に会いたくて戻って…「もういい?」
「恥ずかしがらなくていいのに~飲み物とお菓子、用意するね」
なんで麻央ってこんなに、都合よく解釈できるのかね…。
何とか姉を追いやり、自室へと入る。
「今日も疲れたー」
そうベットに倒れこむ一方、廉は慣れたようにベッド背に座り込んだ。
「んで、どうしたよ?」